障害者福祉事業 新着情報
ホームでの生活の意味ってなんだろう
2021-12-21
20代のAさんは昨年度、グループホームに入居しました。
対人交流が少なく、不快な音などには両耳を手で覆ってしまう過敏さをもつAさんは、諸事情でショートステイの利用の多い生活が続いていました。また、家族や支援者の気を引こうとして、歩行中に突然走り出すなど“困った”活動がよくありました。ホームに入居してから、平日はホームと作業所の行き来、週末は自宅で家族と過ごす安定した暮らしになりました。
そのAさんを通して、ホームでの生活の意味を職員間で考え合いました。
Aさんの現在の様子やこれまでの記録から特徴をとりだし、家族からも育ちや歩みの聞き取りなどを、先輩職員の助言や協力を得てケース検討会の資料作成した入職1年目の廣橋菜摘さんの感想を紹介します。
「Aさんがしんどい、嫌だ、という不安定な気持ちを出せるようになってきたことは、ホームでの生活が安心できるものになってきているから出せるようになったのかもしれないと思いました。他の仲間の居室を覗きに行くことも、ショートの頃は毎回違う仲間だったけれど、ホームには同じ居室に同じ仲間がいるという安心感を確かめているのかな、ということをすごく感じました。相手とのコミュニケーションが苦手ながらも、自分から職員の手を握って話をすることは、自ら人間関係を作りだそうとしている姿だと知りました。自分の存在を認めてくれる人を求めている姿は、これからも大切にしていきたいと思います。また、髪の毛をキレイにオシャレすると、すごく嬉しそうな表情をされていることがあり、発達段階においても自分を客観視する力があり、オシャレに興味を持つ力がある方ということが分かりました。本人の楽しいことや嬉しいと感じることはもちろん、嫌だな、しんどいなと思うことも知っていき、これから長いホームでの生活が、より豊かになるような支援を行っていきたいと思います。」